耳よりの話―その5

 前立腺でお悩みの方へ   

     

南大沢パオレ腎クリニック 
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前立腺肥大及び癌の原因、症状、検査方法
 
(日本医科大付属多摩永山病院 平岡教授 著書、前立腺男なら覚悟したい病気一部を参照
 (長久保 病院、   長久保一郎 院長 
著書前立腺肥大症、前立腺癌の一部を参照)
原因     赤色の文字部分は私の体験談です)
 私が前立腺肥大を意識しだしたのは、在職中の定年一年前頃の人間ドックで、超音波診断を受
けて指摘されたのが最初です、正直大ごとになるまでは無関心でした。自分は健康に自信過剰で
あったことが原因で、退職10年後には、夜中に何回もトイレに行くようになり、不眠に悩まされる様
になってから、近くの総合病院で初めて泌尿器科の直腸内指診を受けたところ、肥大どころか、硬
いしこりがあり、前立腺癌の疑いありとの、診断を受けてからのことです。
 その後、いろいろな書物を調べてみると、健康体であっても、歳を取れば、誰しも罹る恐れのある
男だけの病気で、前立腺肥大症とは、そういう病気で、前立腺肥大症の罹患率は、急上昇し、五十
歳で50%、六十歳で60%、七十歳で70%、という統計報告がある。更に怖いのは、前立腺癌だ。
1975年ぐらいまでは、日本人男性の罹る癌の中で罹患率、死亡率とも第10位だったが、2004年の
統計では、死亡率が6位まで上昇している。前立腺肥大症、前立腺癌共にその原因は、男性は四
十歳を過ぎると、主要な男性ホルモンのバランスが崩れ始め発生すると言う説や、いろいろ学説は
あるが、特に有力な説は、食生活が欧米化し、バター、ミルク、チーズなどの乳製品や肉類の摂取
が多く、魚介類や野菜などの摂取が少ない。動物性のたんぱく質や脂肪を多く摂る傾向が強いか
らだといわれていますが、現状ではまだ明らかになっていないというのが実情です。                                                 
症状
前立腺肥大の症状
 肥大した前立腺によってもたらされる症状には、尿道閉塞のより直接的に生じる排尿困難を主と
する症状と、尿道閉塞により二次的に生じ刺激を受けた膀胱の機能変化(収縮力の低下)に伴う
症状があり、肥大の発生部位や様々な要因により患者毎に異なる複雑な症状がみられます。
    代表的な症状は下記の通りです。
    1.尿が出るまでの、時間が長い。
    2.尿線が細く、チョロチョロしか出ない状態。
    3.尿が散るために便器を汚してしまう状態。
    4.尿の最後の方がボタボタしか出ない状態。
    5.排尿直後にまだ出し足りない感じがする。
    6.常に尿意が襲ってくる状態。
    7.頻繁な尿意のために足繁くトイレで排尿する。
    8.就寝してから排尿のために、何度もトイレに足を運ぶ。
  
  前立腺肥大の症状によく似た症状の病気があるので、ご注意下さい。
    1.急性細菌性前立腺炎
    2.慢性細菌性前立腺炎
    3.非細菌性前立腺炎
  早めに専門医の診断を受けることです。
前立腺癌の症状
 前立腺癌には早期の自覚症状はないために、前立癌の症状が現われた時には、すでに癌が進
行しています。前立腺癌の症状ですが、前立腺肥大症の症状にとてもよく似ています。 具体的に
は排尿が困難になる、膀胱刺激症状、排尿時に痛みを感じる、血尿、と言った症状です。この様な
症状が現われると、すでに前立腺癌が進行し、他の臓器等に転移している恐れがあります。
検査方法

 
検査方法を記述する前に、私の貴重な苦い体験談を予め述べてみよう。前立腺肥大及び癌の
疑いありの、診断を受けてから泌尿器科専門の病院で、6年間に亘り、血液検査(PSA)、直腸診、
超音波検査、針生検(2回)、MRI(2回)と、総ての精密検査を含め実施してきたが、特に異状が見
られずPSA(前立腺マーカー)の値が(3.22〜5.29)徐々に増えていることが気掛かりでしたが
薬物療法を続けて様子をみている間に、その病院の名誉院長が急死されたため、やむを得ず、友
人の紹介で日本医科大多摩永山病院に転院し、内視鏡切除手術の名医、平岡教授の診断で癌の
疑いありと、前立腺切除手術を受け、後日、癌細胞の検査結果で一部に癌がある事が判明したの
です。PSA値が5.29まであったことを考えれば、もう少し注意すべきだった様にも思えます。 
前立腺肥大症の検査方法
尿検査
 前立腺肥大症の患者には長い間、尿が出にくいのを我慢していたために細菌感染を起こしてい
たり、尿に血が混じったりする場合があります。そのため最初に必ず尿をとって、血尿や感染の有
無を検査します。
血液検査 
 血液検査の採血は、前立腺を直腸診や超音波で検査する前に行われます。前立腺組織の中には
腫瘍マーカーのPAP(前立腺性酸フォスファターゼ)、PSA(前立腺特異抗原)、の値は前立腺
特有のものであり、前立腺癌の時は高くなります。正常の人で3.0以下、私は5.29でした。
直腸診 
 患者の直腸から触診しますが、50g前後の大きい前立腺なら容易にわかりますが、30g程度の
ものではわからないこともあります。また膀胱内に突出した肥大症では小さく感じます。直腸から触
診して少しでも硬く前立腺が触れるようでしたら、癌を疑います。この例が私の場合です、しかしこ
の硬いシコリが2回の針生検を受けても、なお、癌細胞が出ない異例のケースだったのです。
超音波検査
 超音波検査は、お腹からプローブをあてて見る方法と、直腸内からプローブを入れて見る方法と
があります。両方法ともに一長一短がありまあすので、医師によくご相談下さい。
尿流量検査
 患者の通常の排尿状態、つまり尿の出始めから終わりまでは尿流量計で測定します。正常な人
の排尿の曲線は、高い山形(釣鐘の様な)をえがきます。しかし前立腺肥大症の患者の場合の描
く排尿の曲線は低い山なみを描きます。通常は350mlの尿が20〜30秒で排尿されます。排尿
時の圧力も最大で25ml/となり、平均でも15ml/あれば良好です。しかし前立腺肥大症の患
者の場合は、この最大排尿率もかなり低下してしまいます。
前立腺癌の検査方法
 前立腺の初期には特にこれといった症状がありません。ですから前立腺癌を発見するためには
検査が重要な意味を持ちます。前立腺癌の主な検査法は次の通りです。
PSA(前立腺特異抗原)
 前立腺癌の目じるしとして、最も敏感に反応するマーカーとして認められています。
PSAの正常値は4.0ng/ml以下とされていますが、最近では4.0〜10.0ng/mを灰色領域(グレ
ーゾーン)といいます。この数値を示す患者は、強く疑われます。10.0ng/ml以上の値を示した患
者からは前立腺癌がかなり高い確率で発見されています。  私の場合は初めて疑いありと、い
われた時点では、3.3ng/mlでしたが、その後次第に数値が増加し5.23ng/mlまで示しましたが
、MRI,針生検等の精密検査結果は、いずれも陰性で驚くやら嬉しいやら複雑な気持ちでした。
直腸診、超音波検査
 直腸診、超音波検査は前立腺肥大症に限らず、癌の確認に欠かすことのできない、検査です。
超音波検査は特に次に述べる針生検と組み合わせて検査する大事な施設だからです。
前立腺の針生検
 前立腺の針生検については最近各病院でおこなわれています。特にPSAが10.0ng/ml以上
の値を示した場合は針生検の対象になります。病院によっては局所麻酔を使用する所と、麻酔を
使用しない所があるようですが、肛門の中に超音波診断装置のプローブを平行している針を刺し
左右3〜12ヶ所ずつ、計24ヶ所の前立腺の組織を取り出します。しかし、PSAが10.0ng/ml程
度の変化では、癌がどこにあるかはっきりしません。だから前立腺の組織を超音波で確認しなが
ら生検することになります。生検に使う針は非常に細いはりですので、出血も多くありません。採り
出した組織は病理組織診断にだします。  私の場合は平成16年と18年、2回針生検を受けま
したが、いずれも癌陰性、前立腺肥大症として6年間内服治療を続けていましたが、正直言って
その効果は、あまり感じられませんでした。この頃からです、体力的にできる限り、負担のかから
ない手術方法がないか検討し始めたのです。内視鏡による手術療法(尿道内に内視鏡を挿入)には、
TUR−PとPVPがあり、最も体力的に負担がかからない、しかも入院1泊2日の最新治療の紹介
を受けましたが、保険適用なしの、費用は諸々含め、使用する針1本で約700,000円肥大が大
きいと針2本使用する、となると1,400,000円とのこと、いかんせん躊躇してしまいました。
MRIによる検査
 MRIは核磁気共鳴画像診断といわれ、CTでは区別のつかなかった前立腺の内腺と外腺の部
分を区別できます。また前立腺癌の診断には必要欠くべからずの装置といわれています。
 後期高齢者の手術はなぜ敬遠されてきたか
 75歳過ぎた、後期高齢者は手術に対し、体力も衰えているし、再発の恐れも有るとのことで、ど
この病院でも、一刻も放って置けない悪質な癌でない限り、手術療法を避け、ホルモン療法、放射
線療法、をとるのが、一般的のようです。しかし最近になって、経尿道的前立腺切除術(TURP)
という尿道内に内視鏡を挿入して腺腫を削り取る治療法が開発されてからは、よほどの症状がな
ければ開腹手術を行われなくなっています。しかしこの治療法も慣れていない医師は、失敗を避
けるため、傷つきやすい前立腺内の内腺、外腺の組織を完全に除去できないため、再発する危
険もあるので、何処の病院でも高齢者に対して、敬遠されてきた傾向があります。しかしその難点
をみごとに克服し、開発に成功した平岡式剥離TURP(経尿道的前立腺切除術)手術治療法を、
お困りの患者さんに紹介しましょう。
是非お進めしたい平岡式剥離TURP、手術
       平岡式剥離TURP の治療法について相談できる窓口 
      日本医科大多摩永山病院 泌尿器科 平岡 教授 TEL 042−371−2111
      その他の病院    南大沢パオレ腎クリニック 泌尿器科  TEL 042-677-4477
                 長久保病院 国立市谷保6907−1   TEL 042-5712211                       
 開腹手術で前立腺肥大の腺腫を全摘出したはずなのに、手術後に肥大が再び発生して再手術
の確率が高いことを確認されている。それでもこの術式はゴールドスタンダードと呼ばれ、根治的
治療法の一つとされている。そこでTURDの弱点でもある、薄い皮膜に付着している腺腫を完全
除去できる画期的な開発に成功した手法が、『平岡式内視鏡手術』経尿道的前立腺剥離切除術
俗にいう(剥離TURP=TUE)なのです。この術式は、開腹手術の時の皮(外腺)から実(内腺)を
指で剥がすのと同じことを、内視鏡手術でやれないか、という発想から生まれたもので、開腹手術
の『指』に相当するものをヘラ(剥離手)としたことが、開発の決め手となり、多くの患者を助けてお
られることを、一人でも多く知って頂きたい。 
 私が剥離TURP=TUEの情報を得て、手術を受けた経緯は、平成22年2月長久保病院、院長
急死のため、やむを得ず、平岡 教授の著書、前立腺男なら覚悟したい病気と友人の紹介で平成22
年10月に初診を受け、12月7日に前立腺癌の疑いありの、剥離TURP=TUEを受け12月29日癌
組織検査結果で、最終的に前立腺癌と診断されたのです。とにかく、癌は初期段階で治療を受け
ることが、肝心です。                                    以上

  最近のニュース(平成24年2月)
平岡先生は長久保病院にて、毎週d土曜日に手術のみを担当していますので

ご相談してみて下さい。     長久保病院  TEL:042-571-2211

癌組織検査結果で、最終的に前立腺癌と診断された後の私の体験談について

1.放射線治療を受けるまでの、経緯
平成23年4月〜24年2月までのPSA数値が、1.37〜1.87で自分自身あまり気にしていませ
んでしたが、平岡先生曰く数値に変動がみられることは、明らかに癌組織が活動している証拠との
こと、早めに放射線治療を受ける様言われ、神奈川県相模原市橋本の相模原協同病院高精度放
射線治療センター福原先生の紹介状を基に、再度精密検査を受け、5月9日〜7月4日土曜、日
曜を除いて、毎日15分間(放射線のみは約一分程度2グレー)41回(82グレー)治療を受けました。

  
2.治療中の副作用等
事前に聞いていた副作用は、治療を受ける患者さんにもよるが、一般的には、直腸に穴が開き出
血する人、痔のある人の悪化。、白血球の減少(週2回の注射で防護)等の話しがありました。私は放
射線を20回(40グレー)程度浴びた頃から、痔が再発し、強烈な痛みが出始め、肛門注入剤プロク
トセディル(軟膏)2gを約1ヶ月半ほど使用しました。また30回の治療を受けたt頃から、身体全体
に疲れを感じ始めました。勿論、週に1回の診察は受けていました。

3.治療中の効果と治療後の経緯
この治療で本当に効果が出ているのか、いささか心配になり、血液検査PSAの数値を調べてもら
ったところ、なんと3.37と逆に高くなっていました、しかし診察の結果で判った事は、今現在身体
に刺激を与えている最中で、数値が高いのは当然とのことでした。41回(82グレー)終了1ヶ月後の
PSA数値は1.15と下がり、現在は3ヵ月後の10月9日の結果待ちでしたが、数値は1.13でし
た。期待は0以下でしたが、4ヶ月後にようやく待望の数値0.61まで下がり、ひと安心しました。  
          

その後の検査結果 PSA は下記の通りです。

          平成25年1月  25年5月 25年8月 25年11月 26年3月

               0.61   0.34   0.28   0.24   0.20    

4.放射線治療費と後期高齢者医療費負担額について
私の受けた放射線治療費は1回で最高額約3万円程度(平均2.5万円)になりますが、有り難い
事に、後期高齢者医療費負担額が神奈川県で1か月44,400円を超えた分の医療費負担があ
りますので、各県ごとの医療費負担額を事前に調べておくとよいでしよう。

5.いがいに知らない癌保険の落とし穴
私が癌保険を契約したのは昭和51年ごろで当時は、まだ癌と言えば、入院はおろか、死の宣告
を受けたも同様の時代でした。しかし今になって癌保険の内容を詳しく見れば、確かに入院して
治療を受けた場合に、一日いくらの治療費が出るとあるだけで、通院で癌治療を受けても一銭も
でないとは思ってもいませんでした。ところが、昨今では目覚しい医学の進歩により、入院しなくて
も、放射線治療、抗癌剤治療、ホルモン療法、手術もしない温存療法、内視鏡等による治療が盛
んに行われている現代に、保険会社は今の医療技術に合わせて、入院なしでも出る便利な新しい
物件と、ばかりに高額の保険制度に勝手に切り替え、初期癌保険の契約者を全く無視して、平気
で営業している業界を知ると、約35年間保険料を掛け続けてきた消費者としては、ただただ驚くばかりです。ごく最近に後期高齢者医療費負担のことを考え、癌保険契約を早速解約致しました。保
険契約者はいざ癌になって,保険請求の当事者にならないと、細かい保険契約内容を知ろうとしな
いのが通常ではないでしょうか。この様な問題に、当事者自身が大いに反省すべき落とし穴があ
ることに気付きましょう。癌保険以外の、一般保険ですら50グレー以上の放射線治療を受けた場 合は、手術の対象として、認めている保険会社があることを知って下さい。

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