未来的可能性 20161015©MoTak.        <目次頁へ>    <写真集へ>

マスコミの見出しはとかく省略的かつ衝撃的なものだが、ある朝TVに「<役に立つ>が

日本を滅ぼす ノーベル賞大隅教授」と来て、え? 役に立たない方が良いわけ? いや、

私の早合点、「短期的成果志向は人類の未来的可能性を高めない。 だが基礎研究分野は

資金獲得至難で次世代が未知の課題に挑めず、飛躍的展開が生じなくなる」が教授の危惧。

「当今<役に立つ研究>を志す若者は多く<すぐ企業化できるもの>を狙う傾向があるが、

本当に人類の役に立つかは長い歴史で検証される」とも。 しかし例えば、彼らが企業に

就職したら? そこは基本的に<役立ち>を売る組織、成果主義の世界、顧客に<役立ち>

を感じさせられなかったら忽ち破滅、だから応用的開発には積極的でも基礎研究や未来的

遠大な課題には滅多に取り組ませない。 となれば、単なる利益追求を超えた国家戦略的

研究施設や人材制度が必要、、でもそれが<軍産複合体>に化けるとアメリカ同様<戦争

し続ける必要を抱えた国>になるかも知れず、、全然望ましくないし、教授のご趣旨にも

反する。 思うに科学知識や技術の高度化は既に人類の幸福を損なう域に達し、この先は

多分人類の不幸を増すばかり。 ジェレミ・リフキンが The End of Work (1995: 大失業時代)

「ソフトウェアが労働者を駆逐する」と予測したAI時代が到来、昨年末野村総研発表の

<代替可能性ある100種の職業>一覧は<最早アナログ世代に居場所無し!>の宣告同然。

技術革新が次なる新職種を生んで被解雇者を吸収したのは昔、今は人間駆逐のみ、で失業・

犯罪・暴力の増大が全世界を覆い、ホーキング博士の「完全なAIが開発できたら,,人類

の終焉かも」が現実化しつつある。 アナログ時代はほどほども許されたが、デジ化して

「2番じゃダメ」、もっと、もっと!でキリ無し。 未来はその延長上、即ち無地獄!■ 

<吾唯知足>の実践、岩に溜まった甘い汁を舐め取る彼らの道具は細枝、先端を噛み

ほぐして筆状とし、汁の採取効率を高めている。 <役立つ>工夫のささやかな喜び★