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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第076号       ’01−01−26★

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     仕組みの違い

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●就任祝賀行事に30億円もかけた

 

のはアメリカ的大げさでしたが、難産だったブッシュ新大統領、やはり

嬉しそうでしたな。  安楽な人生を送る選択も可能だろうに、敢えて

激職に挑む、、 愛国心か権力欲か、凡人の想像力には余ること。

 

遙かにご成功をお祈り申し上げるとして、問題はその先。  我が国に

とって彼の就任、果たしてメデタイことになるのか、どうか?

 

 

今回の大統領選挙、最終段階は今までに無くモメましたが、コチラから

すれば対岸の火事。  しかしながら、アチラの色々な仕組みがコチラ

のとは大いに違う、ということがよく分からせてもらえましたね。 

 

<大統領選挙人>を介する間接選挙、は教科書的知識。  しかし投票

用紙に並んでいるのは<選挙人>の名でなく、大統領候補者の名、、、

 

だったら、そのまま全国累計し、その得票数で決めることにすれば公平

で迅速だろうけれど、それだと<間接>にならなくなってしまう。 が、

 

何故<直接>じゃいけないのかね? その方が手間も時間も節約できる

だろうに。  合理主義の総本山がどうしてまた?  不思議です。

 

国としての長い歴史が無いだけに、かえって<歴史>にこだわる傾向が

アメリカ人にはある、と昔聞きました。  大統領選の不思議な仕組み

も、あるいはそのせいで<変えたくない>だけかも知れませんが、、

 

*   *

 

何しろ州ごとの集計で得票数が多かった方の大統領候補者が、その州の

選挙人全数をイタダキにしてしまう。  オール・オア・ナッシング。

 

極端な話1票の差であろうと、得票ゼロであろうと、<負け>の判定は

全く同じ。  負けた方の候補者に投票した人は、即ちゼロ同然の扱い。

文字通り<無>視されるわけですから、こりゃ釈然としないでしょうな。

 

国全体での得票数ではゴア氏30万のリード。 そして最後、フロリダ

州ではあのように伯仲。  僅差なら、たとえそこで負けても30万の

差には響かず、そのまま<直接>方式最終結果ゴア氏の勝ちとなる。

 

彼がフロリダ州で勝てば、そこで獲得することになる25人が加わって

選挙人の数でも、つまり<間接>方式でも勝ち。  文句無しの勝利に

なったはずだから、ゴア氏が簡単に譲れなかったのは当然でした。

 

辛くも勝ったブッシュ氏は、大統領になっても<国全体では負け>即ち

投票者過半数の不支持が付いて回るので、気分はスッキリしないだろう。

 

どのようにして<選挙人>の数を割り当てるのか知りませんが、そこは

コチラ同様アチラにも、<1票の重み>に(コチラほどはヒドクはない

にせよ)結構バラツキがあるようで。  それが不満な人も少なくない

でしょう。

 

*   *   *

 

驚いたのは<数え方のルール>が、<絶対的>に確立されているわけで

はないこと。  普通ならせずに済ませる<数え直し>が今回は何度も

行なわれ、そのたびに違った答えが出たり、ついには<孔明け式>の孔

の<明き加減>にすら疑義が生じたり、、、

 

だいたい投票方法が州ごとに、いや、州の中でも郡ごとに、もしかする

とその中でもさらにまた、かな? とにかく一律ではない、ということ

も初めて知りました。  個性豊かな地方自治、ですな。

 

とかく<灰色>で済ませるコチラと違ってハッキリさせたがるアチラに

しては、あれじゃどの立場の人においても<釈然としない>が残ったの

ではないか、と気になります。  メカにツヨイ国柄なのに、ねえ、、

 

*   *   *   *

 

何よりも基本的な票集計、その精度が怪しいとあっては議論にならない、

即ち<論外>ですが、フロリダ州は<氷山の一角>でしょう。  よく

調べれば他のどこも、かなりいい加減だったのかも知れません。 

 

往年、ニクソンを僅差で破った時のケネディの票も、シカゴ周辺の集計

にはマフィアの<支援>があったとか、何かで読みましたよ。  まあ、

大きな国ですから、それも統計的誤差の範囲かも知れませんが。

 

この頃すっかりヨタヨタになった我が国ですが、細部にこだわる国民性

だから、そこまでアバウトにはしない。  少なくとも<量>の点では

信頼できるだろう。  が、数が正確なら良い政治になるわけでもない。

 

大切なのは選ばれる人の<質>。 我が代議士諸公のドメスチックぶり

は、そのまま我々自身の<質>の反映。 「天に唾する」ことになって

残念だが、これは選挙の仕組み以前、民度の問題、ですな。

 

フロリダ州の再集計をどの段階で見切るべきか、についての裁判所判断

も、それぞれそれなりの根拠に基づくことではあったろうけれど、二転

三転。  不謹慎な話ですが、スリルとサスペンス、、

 

訴えを起こす切り口も多様なら、判断が下されるのも迅速。  コチラ

じゃ考えにくいが、やはり弁護士の国。  そのプロセスがオープンな

ことも含め、色々な仕組みの違いを痛感した人は多い、、、

 

**********   

 

か、どうか?  <密室談合>方式や、無難さ本位の消極的選択などが

アチラに通用しないだろうことは認識されたでしょうが、彼らの本質へ

の理解はどこまで深められただろう?

 

トコトン粘って、あらゆる角度から可能性を追求する彼ら。  大統領

選挙に限らず一事が万事、何でも<徹底的>にやらないと済まない彼ら、、

 

そう来たか、なら、これで行け。 ヘコタレナイこと、まさに Rational

Process そのものの執拗さ。  そんな彼らと今後どう<戦う>べきか、

にまで結び付けて考えておかなくてはなるまい。  それはともかく、

 

すべての論議を目に見える形で行なう姿から、ウム、Rational Process

は確かに<彼ら>的思考パターンの集約、、 と納得されたでしょうな。

 

政治がらみの仕組みの違いも、結局<考え方の仕組み>の違いから来て

いるんだな、、 とも。  

 

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●ところがコチラでは、考える習慣も

 

アタマの仕組みもほとんど形成されていないような、しかもそれを自ら

PRなさる御仁が、大方の不支持にもメゲず、居座り続けておられる。

 

選挙区へ里帰りした時、地方へ遊説に出た時、つい気が緩んで不用意な

発言を、、 ということはよくありますが、、 アフリカで、とはねえ。

 

まあ、在留日本人の懇談会での話ですから、ご本尊としてはくつろいだ

雰囲気を醸し出すためのサービスだったのかも知れない。  しかし、

 

そうだったとしても立場をわきまえ、それにふさわしい品位を保つべき

でした。  が、<失言多発>の欠陥を売り物に、「いつクビになるか

分からない、、」。  あまりにも自嘲的、あるいはヨシモト的。

 

  せめて発言の前に「オレの発言、この狙いで良いかな?  それで、

  どんなマイナスが生じるかな?  それにはどう対処すべきかな?」

  くらい、DA的にちょっと考えて欲しかったよなあ、、

 

  <笑いが取れる>、<ウケる>といった WANT に大きな重みを付け、

  マイナス面は全く考えもしなかった、、  まるで道化役者だね、、

 

敢えて推し量るならあれは、(少なくとも当面)オロされることは無い、

という妙な自信ゆえ、でしょうな。  しかし旅の目的は国際外交。

 

彼にその意識があるのか疑わしいが、日本を代表してその地に滞在して

いる最中なのだから、相手国の人たちにも聞こえないはずはありません。

妙な自己卑下は相手様に対して失礼だろうに、、  気にする風が無い。

 

即ち前後左右への目配りを欠いた無神経。  同じワセダ人として私ゃ

恥ずかしい。  あんなジコチュウ、グローバル化時代のリーダーには

不向き。  そんな御仁をその地位に就かせてしまう我が国の仕組みは

明らかに宜しくない。  早いとこ彼をオロせば良いのに、そのオロす

仕組みもまたこの国には無い、、 ようですな、悲しいことに。

 

 

いや、全く無い、わけではない。  アメリカ大統領選フロリダの乱の

真最中、コチラでも大山<迷>動したのがその証拠。  不甲斐なくも

敢えなく腰砕けして、オロすには至りませんでしたが、、

 

その関連記事で知ったくらいなので私も褒めちゃもらえませんが、あの

張本人さん、信じがたいことにあれで党内有数のアチラ通なのだそうで。

 

なら、アチラにもウケるような筋を書き、立派にやり遂げるべきでした。

ハンパなことじゃ決して尊敬されることありませんからね、アチラでは。

 

コップの中の嵐にすら耐えきれなかった男が、国際政治の場でまともに

アチラさんと渡り合えるもんか。 早々ポシャってくれて良かった、と

思います。 が、彼をポシャらせた側が頼もしい、と言うつもりは無い。

 

アチラで通用しないことは<アチラ通の彼>と五十歩百歩。  何なら

コチラの誰か、あの大統領選挙戦に放り込んでみたらどうかな?

 

競技中のマラソン選手を追う物好きな街の素人が何ブロックも続かない

ように、何日も付いて行くことなど出来ないでしょうから。

 

*   *

 

ほとんど1年がかり、各地でお祭り騒ぎの党員集会。  日数、飛んで

回る距離、握手の回数、費やした金額、流すCFの本数、、 その膨大

な物理量に笑顔で耐え抜く基本的体力。  食い物の違い、かな?

 

だがそれ以上、<日本人>はとてもあんな風に出来ない、と言えるのが

対立候補とのせめぎ合い。  党の指名を獲得する段階までは<我が党

の士>同士の争いだから、なおツライ。  やはり<肉食性>ですな。

 

最後は対立党候補同士の一騎打ち。  売り言葉に買い言葉、個人的な

中傷も辞さない。 そのどちらかが大統領になるというのに、いかにも

慎みの無いやり取り。  攻撃は最大の防御、とばかり。 

 

TVやステージでの公開討論はいわば選手権試合。  リング・サイド

の判定は仮借なくキビシイが、そこは千両役者、次の場面では鮮やかに

リカバリー。  懲りずに科白をトチるコチラの大根総理とは何枚もの

違いです。  アチラには、人をそのように育てる仕組みがあるらしい。

 

一旦勝敗が決すれば、互いに相手の健闘を讃え、肩を抱き合い、協力を

誓い合い、、 芝居じみて見えるが、政治も一種のショウかスポーツ、、

 

演技力と言い、精神的な強さと言い、あれだからこそ世界のリーダーが

務まるんですな。  中身の善し悪し(良い、と信じましょう)は別と

して、そのタフさ加減に感銘を受けますね、私は。

 

*   *   *

 

あれほど長くワイワイやるなんて、、 と大統領選の仕組みに???の

私ですが、敢えて一つ良い点を挙げるとすれば、、 たとえ形だけでも

<国益>や<国民への奉仕>を叫び続けるので、その間にアタマの配線

が強固に出来上がり、それが実行力の裏付けになるだろう、ということ。

 

コチラの選良たちはひと月にも満たない僅かな期間、抽象的かつ(やむ

を得ず)ローカルなスローガンを喚くだけ。  そのような大した志も

無い連中の頭目が、自動的に国家最高の権力者に成り上がる仕組み、、

大したことしないのは、そのせいかも。   ともかく、

 

色々な違いの集積で、アチラとは比較にならない。 実際、ぶつかって

歯が立ったためしが無い。  <対等の関係>? ご冗談を。  身の

ほどを顧みるべし。  オノレも知らず、で百戦危ういこと間違いなし。

 

アチラを比較対象として見直せば、我が国の諸々の仕組みの良くなさは

歴然ですが、そうした点を的確に指摘したセンセイ、いましたかな?

 

*   *   *   *

 

いや、もし指摘があったとしても、それを生かす仕組みが、また無い。

 

日本人の個人的資質が優れていることは疑いませんが、全て巨大化した

現代、何を実現するにもシステム、仕組みが必要です。  その仕組み

を作る、あるいはマネジする能力の点では、<優れた人>は少ない。

 

いたとして、良い仕組みを作ったとしても、<官僚>という宜しくない

仕組みに属する意地悪どもが寄ってたかって邪魔したり、潰しにかかる。

何ともイヤラシイお国柄、、  当分アチラには勝てませんな、、

 

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大統領選挙にかこつけましたが、アチラとの仕組みの違いは企業レベル

でも同じこと。  あなたの工夫や努力、実を結ばせる機会に恵まれる

ことなど滅多に無いでしょ、現実に?  生かす仕組みが無いんだから、、

 

アタマに来る?  ほかへ移る?  それで解決になるでしょうかね?

よほど運が良ければともかく、どこでも大差ない、のではあるまいか。

 

後ろめたい気分でなく転職出来る時代になったと申しますが、そのため

の仕組みもアチラのように自在ではない。  いずれ変わるでしょうが、

未だ未だ先のこと。  せめて、状況好転を待つ間、

 

あなた自身の<考え方の仕組み>だけでも先手回しに整備しておかれる

と良いでしょう、もちろん Rational Process で。  それは Global

de facto Standard!  行く先々で役立ち、陳腐化しない資産です。

 

                          ■竹島元一■

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